【マネーフォワード】ユーザーにとって本当に価値のある、お金の情報インフラを作りたい!

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株式会社マネーフォワード

取締役 CTO

浅野 千尋

2006年4月、早稲田大学大学院在学中にトレード・サイエンス株式会社の創業メンバーとして参画。大学院生と金融系ベンチャー企業社員との二足の草鞋を履いた生活を送る。その後、2010年10月にはCEOとして、株式会社インテリジェント・シープを設立。機関投資家向け金融ITコンサルティング業務を通じて、株式会社マネーフォワードのCEOである辻庸介氏に声をかけられ、2012年5月にマネーフォワードのCTOに就任。

人工知能と株に興味を持った学生時代

ー 大学生時代に、金融系のベンチャー企業を立ち上げた経緯を教えてください。

高校生の時から、「人工知能」に興味を持っていて、プログラミング技術を学ぶため、大学では情報系の学科を専攻していました。大学の研究室で、株式を自動で売買するロボット「カブロボ」のプログラミング・コンテスト(カブロボ・コンテスト)の存在を知り、自分がやりたかった人工知能の開発ができるということで、私も運営スタッフとして参加してみたんです。カブロボ・コンテストでは、プラットフォームを主催者が提供し、参加者同士でアルゴリズムを競い合い、仮想的な株取引で、誰が一番儲かったかをランキング形式で発表していきます。

その当時、株価が上がり、金融業界内でアルゴリズムを多く集める仕組みが話題になったことで研究室での取り組みを事業としてスタートさせました。これが、トレード・サイエンスの始まりです。トレード・サイエンスでは、システム開発全般を担当することになり、大学に通いながら仕事をしていました。

お金の情報インフラを作る

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ー マネーフォワード創業のエピソードを聞かせてください。

辻と初めて会ったのは2010年、トレード・サイエンスをマネックスグループのグループ会社としてバイアウトしたときです。トレード・サイエンスを辞めてからの約2年間は、自分1人で会社を立ち上げてITコンサルタントとして活動していました。

その当時、アメリカでは、急成長中のサービスとして、個人向けの資産管理サービス「Mint.com(ミントドットコム)」が大流行し、辻と瀧(マネーフォワードCOO)は、日本でも同様のサービスを作りたいと考えていました。私は、株の自動売買プログラムを作った経験があったため、複数の金融機関からデータを取得する仕組みを把握していたので、辻から、システム開発に関する相談を受けたことがきっかけで、一緒に仕事をするようになります。

資産管理サービスを実現させる上で、必要となるコア技術が「アカウント・アグリゲーション」の部分。アカウント・アグリゲーションを使うことで、複数の金融機関にある口座の残高や入出金の履歴などの情報を集約して表示させることができます。辻の話を聞いて、人工知能や自動株式売買プログラムなど、これまでの経験を最大限に活かして、サービスの基盤となるアカウント・アグリゲーションの開発に挑戦してみようと思い、マネーフォワードにジョインすることを決めました。

ー 企業ビジョンを教えてください。

私たちは、”お金の情報インフラを作りたい”と考えています。日常生活の中で、銀行、クレジットカード、保険、不動産、確定申告など、個人のお金に関する情報は色々な所に分散しており、一体何をどう調べればいいのか、分かっていない部分が多い、これが日本の現状です。

マネーフォワードでは、それらの情報を一元管理できるようなプラットフォームを作っています。まずは、アカウントアグリケーションという技術を使って、世の中に分散している個人のお金の情報を集約し、「見える化」を図りながら、今後は、このプラットフォーム上で新しいサービスを展開していくことで、ユーザーにとって、より質の高い、サービス・付加価値を提供することを目指しています。

開発体制は、守りのJava、攻めのRuby

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ー CTOの仕事について教えてください。

社内の技術から経営全般を見ています。会社全体を見た上で、顧客折衝からプロジェクトマネージメント、設計・開発まで、広範囲に渡る業務を担当しています。本質的には、プログラムのコードを書かなくても良いポジションだと思うのですが、コード書くこと自体が楽しいので、エンジニアと一緒に作業することもあるんです。今後は、会社の成長に合わせて、自分の動きを変えていきたいですね。

ー 技術分野における強みは?

一番は、サービスの基盤となる、オリジナルのアカウント・アグリゲーションシステムですね。この部分は、他社がすぐに同様のサービスを作れない大きな参入障壁になっています。アカウント・アグリゲーションの開発当初、まずは150社ほどの金融機関に対応できるような開発を進めていたんですが、順調に対応企業数を増やすことができ、いつの間にか、その10倍の約1500社に対応できるようになっていました。正直、まさかここまで増やせるとは思っていませんでした。開発の中で大変だったことは、同じ金融機関でも、ユーザー毎にフォーマットが全然違うということ。複数あるパターンを吸収していくロジックを構築することに苦労しました。

ただ、ここまで出来たのも、初期段階から運用フェーズを視野に入れていたからです。事前に行っていたシュミレーションの結果や、私が経験した要素を盛り込みながら、開発を進めていきました。

私は金融系システムの開発に長く携わっていたこともあり、Javaでの開発を得意としています。マネーフォワードのコア技術であるアカウント・アグリゲーションもJavaで作ることにより、安全性・安定性・正確性の高いシステムを構築しています。ここはまさに、「守り」の分野。もちろん、ユーザーにサービスの魅力を伝えるWebアプリケーション部分も重要です。「攻め」の分野であるWebは、Ruby on Railsを使ってスピーディーに開発を進めています。

開発チーム全体で、”本当に人の役に立つサービス”を作っているので、やりがいを持てる開発現場だと実感しています。

geechsマガジン記者手記

マネーフォワードのサービスは、金融とITのスペシャリストが見事に融合して誕生しました。急成長を続けている理由の一つは、攻めと守りの絶妙なバランスの上で、開発が行われているということ。浅野さんが持つ人並み外れたバランス感覚は、これまでの経験の中から養われたものだと思います。今後どう進化していくのか、非常に楽しみです。

浅野さん、取材に御協力いただき、ありがとうございました!

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