【Tokyo Otaku Mode】日本発のオタクサービスを支えるのは現場主義のエンジニア

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Tokyo Otaku Mode Inc.

ソフトウェアエンジニア

堀木 洋志

大手電気メーカー系システム開発会社にてDLNA等のネットワーク関連の業務に携わる傍ら、自身でNode.jsやMongoDBを使ったWebサービスを開発。2012年、Tokyo Otaku Mode Inc.に入社。同社が参加したシリコンバレーの”500 Startups”にもエンジニアとして現地に滞在し、Tokyo Otaku Modeの新機能を複数ローンチ。以後も、主力のエンジニアとしてTokyo Otaku Modeを支えている。

シリコンバレーに憧れるTHE・エンジニア

― 今までのご経歴を教えてください。

もともと高専出身で、電子系・電気系・情報システム系など、理工分野は一通り勉強しましたが、その中で最も興味を持ったのが情報システムでした。卒業後は、2005年に某大手電気メーカーの子会社のシステム会社に入社し、デスクトップアプリケーションの開発に携わりました。開発環境はもっぱらWindowsで、言語はC++、C#を使っていました。

具体的な仕事内容は、DLNA(Digital Living Network Alliance)関連の開発で、ゲーム機、パソコンなどと家庭内LANで連携できるソフトの開発などです。システム会社だったので実際にコードを書くよりも設計だけするといった立場が多かったですね。ネットワーク周辺の知識を身につけられたのは、Web系のサービスを作っている今の仕事でも活かせることがあり、経験しておいて良かったと思いますが、自分でコードを書く機会がほとんど持てなかったことは悔やまれますね。

― Tokyo Otaku Modeに入社したきっかけは?

現COOの安宅のブログがきっかけです。もともと海外志向があり、シリコンバレーへの憧れが強かったので、Tokyo Otaku Modeが500 Startupsに参加している最中に更新されていたニュースにはずっと注目していました。その後、2012年の夏頃に安宅と話す機会があったので腕試しのつもりで参加することにしました。

その後、CTOの関根にも会う機会があり「Node.jsとMongoDBで作っている」と聞いて「それなら直ぐにできます」と答えました。当時の僕は、Node.jsとMongoDBを使って個人的にWebサービスを作っていたので、両方とも得意な技術だったのです。とはいえ、正社員として働いていたので平日の夜はリモートで、週末にはメンバーの元に出向いて打ち合せをしました。草野球ならぬ「草ベンチャー」という言葉からわかるように、仕事ではなく趣味の延長線上のような感覚で参加していました。

大企業の仕事に勝る草ベンチャーの魅力

― 当時のTokyo Otaku Modeはどんな雰囲気でしたか?

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その頃のTokyo Otaku Modeにあった機能はFacebookページとギャラリーのみ。まだまだ拡張していくことができる余地があったので、ユーザー目線であった方が良い機能をどんどん実装しました。平日の夜にリモートでやっていたので、仕事が終わると自宅やカフェで新しい機能を実装して、内容をメンバーに伝えて、翌日の夜にリモートでやるときにはメンバーから反応が来ているというサイクルが楽しくて仕方ありませんでした。

大企業で働いていた僕には、自分がやった仕事の反応がすぐに表に出るという経験がありませんでした。大企業で仕事の結果が目に見えるようになるのは、良くて四半期単位、さらにユーザーの反応を見られるのは翌年になったりしますからね。一方でTokyo Otaku Modeでは、例えばコメント欄の機能を実装したら、ユーザーから「CHO kawaii」とアルファベットで反応があったりしました。そういったサービス開発のスピード感が、今も薄れることのない楽しさの1つです。結局、Tokyo Otaku Modeの開発に関わりはじめて2ヶ月ほどで本職をやめて、本格的にジョインしました。その後すぐに念願のシリコンバレーに行かせてもらい、500 Startupsのオフィス内でNEWSページとフォーラムの機能をローンチしました。500 Startupsのオフィスでは、世界中から集まったスタートアップと隣あわせのデスクで開発をしていたのでとても刺激的な時間でした。

― 安定した大企業の職場を捨ててもいいと思わせた魅力とは?

1つは、やっぱり僕もオタクなのでオタク文化に触れているのが楽しかったことですね。もう1つは、コードを自分の手で書きたかった!この2つがあれば、他に何もなくても生きていけると思いました。(笑)その時、Tokyo Otaku ModeのFacebookページでは500万Likesあったので、それだけ多くの人が見てくれる可能性を持っているというポテンシャルにも惹かれました。自分でもWebサービスを作った経験があるのでわかりますが、一人でやっていたら到達するのはほぼ不可能なLike数ですからね。

急成長するWebサービスを支えるエンジニアの仕事とは

― 現在の仕事内容について教えてください。

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今でもメインのエンジニアとしてコードを書いてます。社内の各チームからあがる「こういう機能が欲しい」という要望をいかに早く実現させるかを考えるのが、僕たちエンジニアの仕事です。この2年間でNEWS、SHOP、タイアップページなど、コンテンツが追加されたので、コンテンツごとに必要な機能も多くなってきています。より深く要望を聞くために、エンジニアが各チームのところまでダイレクトに要望を拾ってまわって、改善につなげることもやります。ECシステムの管理画面の改善をした時には、商品がある倉庫まで行って、自身も一緒に梱包しながら現場の方の話を聞いたこともありました。(笑)最近ではよりサービスを盛り上げるために、数値分析に基づいて追加する機能を決めたりもしています。

― Node.jsとMongoDBでWebサイトを作っているのは珍しいですが…?

これには裏話がありまして…。Tokyo Otaku ModeがまだFaceBookページしかない時代までさかのぼります。500 Startupsのバッチに参加していた時、僕たちはスマートフォンアプリを作っていて、当時FacebookページのLike数が400万あったこともあり、それに比例するユーザー数が同時にアクセスしてきても耐えられるRestAPI用のアーキテクチャとしてNode.jsとNode.jsと親和性の高いMongoDBを採用して開発を進めていました。開発を始めて1カ月くらい経った頃、500 Startupsのメンターから「FacebookのユーザーはほとんどPCユーザーだから(当時)、まずは自社のWebサイトを作べきだ」とアドバイスされたのです。
そのタイミングでプロダクトをピボットすることになったのですが、コンセプトは変わらなかったので最速で開発するためにアーキテクチャは変更せず、Node.jsとMongoDBで行くことになりました。

突然のことだったので、急遽対応したような印象がありますが、良かったところもたくさんあります。例えば、Node.jsとMongoDBの組み合わせは、開発環境の変更が柔軟にできます。少しずつ積み上げて改良されていくという特性は、ユーザーの要望に応えながらコンテンツや機能を追加して改良していくTokyo Otaku Modeのサービスと相性が良いと思います。

― 現在の社内体制や雰囲気は?

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表参道のオフィスに来ているのは現在、50名くらいです。ロサンゼルスの拠点にも数名います。あとは翻訳を担当しているスタッフは海外にリモートで勤務しています。エンジニアはそのうち、10人ちょっと。フリーランスの方も多く在籍しているので、働き方も個性豊かですね。

社内のコミニュケーションは、GitHubでコードのやり取りと、issueのタスク管理、そしてチャットです。使っているチャットツールはHipChatですが、最近エンジニアチームはSlackに移行しました。リモートでの仕事に対する理解はとても深いです。確かに対面よりはコミュニケーションが難しいかもしれませんが、上手くいかないときには「他にいいやり方や、ツールはないかな?」と実践しながらコミュニケーション不足を解消していくスタイルをとっています。

個性豊かなメンバーが多いですが、大きく分けると3つのタイプに分かれますかね。1つはオタク文化が好きというタイプ。もう1つはグローバルで仕事をしたいタイプ。留学帰りや帰国子女の方も多いです。あと1つは、スタートアップならではの熱気が好きなタイプ。こういうメンバーが、うまい具合に混ざり合って影響しあっているのがTokyo Otaku Modeのバランスだと感じます。ランチ時間に録画したアニメを見たりする一方で、英語がネイティブの社員による英会話教室も開催されたりしますよ。

「オタク文化で世界をHappyにする」

― Tokyo Otaku Modeの目指すところは?

海外に住んでいると、日本のオタク商品って手に入りにくいです。僕が実際に見てきたアメリカでは、日本人の多いサンフランシスコですら、品数が限られていたり、最新でなかったり、価格が高かったりして満足して商品を選べる状態ではありませんでした。海外で生まれた人が、日本のオタク文化を面白いと感じたときに、より深く知ってもらうきっかけがTokyo Otaku Modeのサービスであってほしいと思っています。

― クールジャパンファンドから15億円の資金調達をしましたが、今後の展望は?

ECサービスの成長を加速させます。物流拠点の整備、英語圏以外のユーザーに対するサイトの多言語化も予定しています。とはいえ、Eコマースの会社で終わるつもりはありません。あくまでも、Tokyo Otaku Modeは日本のオタク文化を世界に発信していきたい。世界中から多くのユーザーが集まるECプラットフォームを実現できれば、その上に、さまざまなコンテンツやゲームといった日本のオタク文化をダイレクトに届けていくこともできますので、より大きな可能性が広がると思っています。

― 今後、堀木さんが目指すところは?

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シリコンバレーの有名人になぞらえるなら、Apple社のウォズニアックのようになりたいです。サービスを成長させていくために現場に残り、コードを書く。一方で最近は、チームビルディングといったマネジメントにも興味がでてきました。サービスの成長が著しいので、各々が担当するべきことも進化を問われる場面が増えてきました。現場でコードを書き続けるという姿勢は変わりませんが、新しいツールやライブラリを入れて、他のメンバーがより開発をしやすい環境をつくるようにしていきたいですね。

― Tokyo Otaku Modeのエンジニアに求められることは?

一番は、柔軟性だと思います。新しいものはどんどん取り入れようという風土がある会社なので、抵抗なくまずは試してみるといった感覚がある人のほうが合うのではないでしょうか。それに加えて、「いやいや、もっといい方法あるよ」と積極的に提案してくれるような人ならもっと楽しめる環境でもあります。
何かしらスペシャルなもの、それが専門性とは限りませんが、自分だけの武器がある!という人であれば年齢やキャリアは関係ありません。「チャレンジ精神がある人」や「僕の知らないことを知っている人」は大歓迎です!

geechsマガジン記者手記

Facebookページで海外ユーザーから1,600万以上もの「Like(いいね!)」を集めているTokyo Otaku Mode。表参道のオフィスは、販売は行っていないにも関わらず、熱心なファンの訪問を受けることも多いそうです。アニメグッズやマンガに囲まれたオフィスは、和気あいあいとした雰囲気で、堀木さん自身も「アニメTシャツや、フィギュアを飾ることも堂々とできますよ!」と嬉しそうに語ってくださいました。
それと同じくらい楽しそうな表情で、Tokyo Otaku Modeを支えるエンジニアの仕事についてもお話してくださいました。「好きなことを全力でやっている」熱に触れたインタビューの時間になりました。堀木さん、Tokyo Otaku Modeの皆さま、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。

こんな方を探しています

  • 会社名

    Tokyo Otaku Mode Inc.

  • ポジション

    システムエンジニア

  • 必須要件

    ・Git, GitHub
    ・Ruby, Python, PHP, Perl, Javaなどを使ったWebアプリケーション開発
    ・JavaScript
    ※経験年数は問いません。具体的な成果物や開発経験を確認させていただき、判断させていただきます。

  • 歓迎スキル

    ・Node.js、MongoDB
    ・サーバサイドの開発経験がある方


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