【技術の無駄遣い】可愛い後輩の為に、先輩が自分のフィギュアを作ったら凄かった話【3Dプリンタ】

日々技術は開発され、信じられない速度で普及していく。
かつてのSFはSFの価値を失い、ただの”今時”として消化される現代社会。

今ここにそんな”今時”を使って精一杯の企てを実行しようとするものがいる。愛する後輩に渾身の愛を届けるために…。

プロローグ

昨年某日、我々某ゲーム開発チームは密かに悩んでいた。
進行中のプロジェクトのトラブル、積み上がるタスク、やる価値の見出だせない打ち合わせ…そんなものが小さく見える程の大きな課題を抱えていたのである。

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そう、目前に迫る、我らがサーバーエンジニアAmonの誕生日プレゼントが決まっていないのである。

amonsan

Amonは義理堅い男である。
誰も知らない、知っていても知らない振りをしがちな上司、同僚の誕生日(面倒くさいから)。
そんな夢も希望もない社内の人間関係の光として君臨するのが、Amonという男である。

誰にも相談せず、対象者の喜ぶものを考え、自腹を切る。
ある者には高価なzippoを与え、ある者にはヨ○シーの編みぐるみを与えた。可愛かった。
気前、義理、母性、そんな人間味溢れる男、Amon。
そんな彼に、一体我々は何を与え、感じさせることができるのだろうか。

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「例え神であろうとこれに関しては…」
そんな不安に苛まれる日々が続いたある日のことだった。事態が展開を見せたのは、Amonの先輩エンジニア・Ochiai氏の言葉である。

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Ochiai:逆に、逆にね?とても欲しかったもの、じゃなくて全くいらないものを渡せば良くね?

 
そう、我々の光となったのは、ただの悪ふざけであった。
なにをと思うかもしれないが、それまでに出た最良案が現金という想像力のない我々である。最早これまで。この悪ふざけに乗るしかない。

前置きが長くなったが、すったもんだあって、我々は一つの結論を得た。

先輩エンジニア・Ochiaiの1/10フィギュアを贈り、最低の誕生日にしよう。

登場人物紹介

DSC04141Ochiai:
ギークスで働くエンジニア。生まれはギークス、育ちもギークスと言わんばかりの生息率。頭皮が危ない。

 
DSC04141Kawayu:
この企画に1枚噛んでニヤニヤするだけの部外者。普段はゲームを作っている人に「がんばれ」など声をかける仕事をしている。頭皮がわりと危うい。

 
DSC04141Amon:
当企画の被害者。ギークスで働く新卒エンジニア。若頭のような見た目と裏腹に、良心の塊。なのに被害者。結構可哀想。頭皮はフサフサ。だからか。

史上最低のプレゼント、製作開始♪

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そうと決まれば行動あるのみ。
我々は日本で唯一3Dプリントによる3Dフィギュア作成を請け負う製作会社・DOOB 3D株式会社のスタジオに足を運んだ。

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ちなみに依頼の際は事前に予約が必要で、公式サイトでは予約のことを”DOOBる”と呼んでいた。
若者の街・渋谷に拠点を置くだけあって、色々とナウい。

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エントランス横のショーウィンドウには、過去の制作物がずらりと並ぶ。
大人から子供、犬猫まで、そのモデルは多岐に及ぶ。

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早速話を聞いたり、飾られているフィギュアをベタベタと触りまくるギークス一行。
主な依頼目的としては一つ次元の上がった記念写真としての用途が多いらしく、DOOBサイドとしても後輩の嫌がらせのために、というのは今回が初めて。本当に申し訳ございません。

Kawayu:随分可愛い衣装のフィギュアもありますね。

doobDOOB:それはコスプレイヤーさんですね。スカートを覗くとパンツが見えるのですが、通常は見えないようになってます。それは特別にスカートの中身まで制作しています。

 
Kawayu:・・・・

 

たったの0.01秒で自分の身体に関する全てのデータを”撮る”

さて、いよいよ本格的に制作にとりかかる。
まずはOchiai氏の3Dモデルを作成するための素材作り。

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なにこれ。
素材となる写真を撮影するためのスタジオなのだが、圧巻である。
写真では1ミリもその雰囲気を伝えられていないが、スタジオ内はどこを向いてもあらゆる箇所にカメラが設置されている。
これらで一斉に撮影した写真を元に3Dモデルを作成するとのことだ。

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▲私立文系卒の考える3Dモデル作成の仕組み

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この本格的な設備を見て、Ochiaiの表情もどことなく引き締まっているように感じる。
部屋を閉じられ、一瞬凄まじいフラッシュに包まれるOchiai…。そんな彼の勇姿がこちら。

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完全に感情を失っている。
徹夜明けかよ!などと突っ込むと、「だったらお前らも撮ってみろよ!」と言われたので実際にやってみたら、その場にいた一同全員が似たような感じになったのが驚きだ。
あの空間には、一体俺はどうしたらいいのかという困惑を引き起こす何かがあるに違いない。

本当はもっと有意義なことに使えるぞ!3Dプリンタ!

我々は後輩への嫌がらせという至極生産性のないクソゴミのような理由から今回3Dプリンタの技術を使用しているが、本来は医療や宇宙分野、はたまた映画の衣装作成などの可視化(「見える化」って言葉が嫌いです)が必要だったり、レスポンシビリティの高いクリエイティブなドライブ(意味はわかりません)が必要な場面での活躍を想定されているものだ。

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※医療分野では、患者の臓器の立体模型を3Dプリンタで作り出し手術シュミレーションを行ったり、義足などの人口装具を製作したりとかなり活用されている。

ITエンジニアとして日々を生きる方々としては、IoTでの活用が最も気になるところか。
3Dプリンタはかつての製造技術よりもより小規模な部品の構築も可能なため、個人開発による作品も作りやすくなっており、企業では今までより容易にプロトタイプを作成することも可能だ。

単なる偶然だが、偶然にも21cafeで行った勉強会でも偶然プロトタイピングの施策における3Dプリントの導入事例を紹介したこともある。
【イベントレポ】”IoT”で何が出来るか?渋谷のIoTエンジニアが開発事例を語る勉強会

また3Dプリンタ、データの普及によって、WEB上での”物理”の取引も可能になっている。
例えば『3Dデータを送ると出力されたものをプレゼントとして誰かに贈る』というサービスが最近増えているが、それに付随するプラットフォームサービスの展開など、新たなビジネスチャンス、真っ青な海がそこには広がっているのである。

小さき自分がそこにいた!世界に一つだけの3Dフィギュアが完成!

さて、いよいよこの日がやってきた。
『自分』というフィギュアを受け取る歴史的な日である。

Ochiaiもこの日の為に撮影当日と全く同じ服装で来るなどの気合の入れよう。

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▲穴の空いた靴下も同じもの。撮影当日よりも穴が広がっている。

さぁご覧あれ。これが例のアレ!世界に一つのOchiai:3Dフィギュアだ!

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お?

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おおおおおおおお!

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ひぃぃぃぃぃぃいいいい!

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普通にすげぇ。

え、何このクオリティ。マジで言ってんの?そんな勢い。
どこからどう見ても、そこにあるのは小さなOchiaiそのものである。アメリカ人なら絶対リトルOchiaiとか呼んじゃう。それかOchiai Jr.とか。

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伸びきった頭髪、だらしなく着こなしたアウター、猫背特有のなで肩からずり落ちるリュックサック、どこをどう見ても本人である。渋谷の20代女性に向けてのアンケートで「誰に見えますか?」と問えば100%「よくわからないけどOchiaiって感じじゃね?wwウケるんだけどwww」と返ってくる。そんな勢いだ。

Kawayu:どうですか?自分のフィギュアを手にした感想は。

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Ochiai:やばいよ!すげー!なんか我が子みたいな感じになってきた!

Kawayu:遺伝子100%だもんなぁ。

まとめ

いかがだったろうか。
確かにこの企画は、後輩への嫌がらせという単なる嫌がらせに過ぎない。
しかし、その悪ふざけも本格的に行うことで様々な発見があるものだ。

3Dプリンタなど、普段なかなか触れる機会のないものに触れ、我々は何を得たのか。
それは技術者たちの飽くなき挑戦、世界を変えるほどのクリエイティビティ。できなかったことを形にし、想像しえなかったインスピレーションを提供する。

3Dプリンタとは実に素晴らしい発明だ。
それに気付けただけでも、今回の悪ふざけにOchiaiが4万円もの私財をつぎ込む意味があったのだろう。

エピローグ

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▲Amonに渡したらめっちゃ良い反応した。

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Happy Birthday!Amon!

今回ご協力頂いた会社様

DOOB 3D株式会社
2014年に創業。3Dソリューションの提供が使命。凄いかっこいい使命を持って作られた会社なのに、だらしない服を着た人の3Dフィギュアを作らされる可哀想な人達。代表のジョンP.イーサム氏も多分このようなことの為にトリリンガルになったわけじゃないと思う。
■公式サイト
http://jp.doob-3d.com/doob-world/mydoob/


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