今年のキーワードはVRとグラフィックス!Unite 2016 TOKYOイベントレポート

複数のプラットホームに対応するゲームエンジン”Unity”。毎年4月に開催されているUnity最大の公式カンファレンスイベントUnite TOKYO は、多くの人が集まります。geechsマガジン編集部も先日Unite 2016 TOKYOに参加してきました!
数多くの講演の中から、geechsマガジン編集部が注目した3つの講演と、ブースの様子をレポートします。

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Unite 2016 TOKYO注目セッション3選

■Unityグラフィックス最新機能ガイド

登壇者:Corey Johnson(Unity Technologies)

こちらの講演では、シネマティックイメージエフェクトやマルチスレッドのレンダリング処理、パフォーマンス等について発表がありました。Game Developers Conference(通称GDC)で発表された映像を実際にUnity上で再生しながら説明していました。

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▼再生された映像はこちら

簡単に美しいビジュアルを作成できる「エフェクトツールシネマティックイメージエフェクト」を使うことで、よりリアルな表現が可能になりました。本機能はAsset Storeで公開されています。Bitbucketでオープン開発しているので、Unityエンジニアは一度覗いてみてはいかがでしょうか。

・シネマティックイメージエフェクト (Asset Store)
・シネマティックイメージエフェクトのプレスリリース

その他にも、Progressive Lightmapper(Unityにおけるライトマップの機能革新版) についての発表があり、実際にシーン編集中に光源オブジェクトを動かしリアルタイムでのライトマップを表現していました。

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Unity5.4ではレンダリング周りのパフォーマンスが向上しています。さらに「Double Wide Rendering」を用いると、CPU負荷をさらに大きく下げ、低負荷かつ、よりリアルな開発ができます。Unityのグラフィックス機能の進化に驚かされる講演でした。

講演ファイル(PDF)はこちら

■ハードウェア性能を引き出して60fpsを実現するプログラミング・テクニック

登壇者:安原 祐二 (ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社)

この講演では、パフォーマンスを最大限に発揮するための手法についての発表でした。ウォーミングアップ代わりに、冒頭で計算処理が早いコードの書き方をクイズ形式でおこない、会場を温めていました。

-計算処理速度60fpsを実現させるために
中盤からは「PS Vita」をターゲットに計算処理速度16.666ms(60fps)をどのようなアプローチで実現するかを、実際に安原氏が作成した60fpsで動作しているゲームを用いて、説明していました。

実際に行った工夫のなかで大きく3点をフィーチャー。
①ゲームロジックを別スレッドで実行する
②GPUを多用する
③動的なメモリ確保をしない

なかでも「動的なメモリ確保をしない」という点は、Unityを使うエンジニアとしては非常に考えさせられ、印象に残りました。

-GC.Collectを避けるために
GC.Collect(GC=ガベージコレクション)を避けるための努力として、主に3つのことが挙げられていました。
①structを多用する
②mono heapを使用するものを避ける(foreach、Coroutineなど)
③ゲームループ中に明示的なclass new はしない

セッション中にデモがあったのですが、実際にそのようにして作られていたサンプルのゲームは非常に滑らかに動作していました。

Coroutineは使いたかったとのことで、完全にGCを消すことだけはできませんでしたが、GCは10分に1回程度、また負荷の高いスパイクは一切発生していない状況を実現することができたようです。

実際に制作したゲームのサンプルプロジェクトはgithubにて公開されています。また、60fpsをより安定させるための工夫など会場では語られなかった内容がpdfでは、公開されているので、サンプルと共に読んでみると、よりパフォーマンスの最大化について理解を深められそうです。

サンプルプロジェクトはこちら
講演ファイル(PDF)はこちら

■ホンモノ志向のVR空間づくり

登壇者:Carl Callewaert (Unity Technologies)

こちらの講演は、人間がどのように3DやVRを認識しているかという仕組みや、単純に立体視化するのではなく、よりリアルな立体視化を目指す上で必要な知識についての発表でした。

-脳の仕組みを利用し、立体的にみせるVR
Carl Callewaert氏によると、VRが立体的に見えるのは、右目と左目の視覚差のほか、人間の脳に経験則的に距離感を予測する機能があるからだそうです。人は、物体の相対的な大きさ 、陰影の具合、線の角度などの要素から、物体との距離を予測するらしいのですが、この距離感を予測する脳の仕組みは、13歳頃に成熟するとのこと。 そのため、まだ脳が未発達の子供に対して、VRを見せると悪影響を及ぼす可能性があるそうです。

-実際の建築物を美しくリアルに表現するには
発表の中盤では、ベルサイユ宮殿やパルテノン神殿や巻貝など、実際に存在するオブジェクトを題材に、美しい空間の扱いについて説明がありました。 これらは、フィボナッチシーケンスの比率や黄金比を保つことで、より美しく、立体的に物体を表現できるそうです。片眼できちんと立体的に見えるか。まずはこれに注力することが、 よりリアルな3Dモデリングの第一歩である、と締めくくっていました。

講演ファイル(PDF)はこちら

体験型ブースで遊んでみた

企業ブースも多くの方で賑わっていました。VRコンテンツの体験型ブースが複数あったので実際に遊んでみました!

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■THE GUNNER OF DRAGOON

 
こちらは、VRを使った体験型シューティングゲームで、ドラゴンに乗り360°を見渡しながら銃で敵を打つゲームです。ロデオマシーンの動きが、ゲーム中のドラゴンの動きと同期されており、実際にドラゴンに乗っている感覚でゲームが楽しめます!ゲームに夢中になりながらロデオマシーンで体を動かせるので、ダイエットにも良さそうですね!

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■HADO

 
次々と現れるモンスターと戦うバトルゲームです。プレイヤーは、腕にモーションセンサーとヘッドマウントディスプレイを装着しプレイします。目の前にモンスターへ向けて、手でパンチをすると、ゲーム内では自分の手からかめはめ波が出現し、モンスターを攻撃します。モンスターも攻撃をしてくるので、かわさなくてはいけません。 VRとは違い、その場でバトルしている感覚が新鮮で、面白いゲームでした。

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Unite 2016 TOKYOを通して

年々、ますます盛り上がりを見せているUniteですが、今年は特にグラフィックやVRに注目が集まっているような傾向がありました。Unityという一つの枠組みが、VRなどの新技術など日々の技術革新に遅れることなく共に進化していることを、今年も非常に強く感じられた気がします。技術の革新やUnityの進化に遅れることなく、エンジニアも成長していくことの必要性を実感しました。

また、各講演は一部を除いて、発表資料を公開しているので、参加できなかった方も是非ご覧ください!
講演ガイドはこちら

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