徹底解明!フリーランスエンジニアにおける法人と個人事業主の違い

フリーランスには2種類の立場があります。それは「個人事業主」と「法人」です。この2つの違いを調べてみると意外なほど情報がありません。一般的な違いは節税ができるかどうかです。ではフリーランスエンジニアにおいて他に基準がないのか。それについて私の知識と経験を元に考えてみました。

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▼この記事はこんな人におすすめ!
・法人格を取得しようか悩んでいる方
・これからフリーランスエンジニアとして働こうと考えている方

目次

  1.  1. 個人事業主と法人の違いは一体何か
  2.  2. 法人設立のメリット
  3.  3. 個人事業主を続けるメリット
  4.  4. 個人事業主と法人は何を基準に選択するか
  5.  5.  規模によって考える
  6.  6.  年金によって考える
  7.  7.  配偶者によって考える
  8.  8. おわりに
  9.  

    個人事業主と法人の違いは一体何か

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    個人事業主と法人の、法的に定められた明確な違いはそれほどありません。個人事業主は現住所の管轄の税務署に開業届を出し、法人は法務省に法人登記申請します。明確な違いはこれだけです。

    雇用についても、個人事業主のままでも従業員を雇うこともありますし、法人でも代表一人だけで仕事をしても何も問題ありません。仕事をする上で顧客が問題ないと判断すれば個人でも法人でも、どちらでも問題はないのです。

    しかし、現実問題として大きな違いが出てきます。
    ・社会保険
    ・社会的な信用
    ・税金に関すること

    一般的にはこの3つが大きな違いとなってきます。フリーランスのエンジニアにおいては、これらの問題がどう影響するのか、もう少し細かくみていきます。

    法人設立のメリット

    法人での一番大きなメリットは企業と直接契約がしやすい事です。

    企業は、個人ではなく法人との契約を大前提としている場合が多く、フリーランスエンジニアの場合も法人との契約を望む企業が多いのです。

    しかし個人事業主の場合は、セキュリティや信用度や会社規定によって直接の契約が出来ない場合も少なくありません。もちろん個人事業主との契約が可能な企業もありますが、やはり少数と言わざるを得ません。今後、企業と直接契約を結びたいと考えている方は法人をもつことはメリットがあるでしょう。

    個人事業主を続けるメリット

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    実はサラリーマンに戻りやすいのが最大のメリットとも言えます。フリーランスになって、サラリーマンに戻る人は意外なほど多いです。クライアント先からの勧誘が多いのも大きな理由になります。

    話を戻しますが、法人を設立するとサラリーマンに戻るときに法人を解散させる必要がでてきます。一般的には、従業員が所属企業と関係のない法人を有することを禁止とする企業が多いからです。なかには法人を持つことを許されている会社もあると思いますが、そのようなケースはまれです。

    なぜなら、企業にとって従業員が他の会社に所属していると、何かと事務手続きが手間だからです。所得税、社会保険などで手続きが増え、納税、保険料の計算が普段と異なり、従業員側としても確定申告が必須になってきます。個人事業主の場合であれば、サラリーマンに戻ることがあっても、その辺りの手間は不要になります。

    個人事業主と法人は何を基準に選択するか

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    法人を持ったからといって、個人事業主より突出した優位性があるわけではなく、税制上の違いがあるだけです。実態は個人事業主と変わりありません。これは、私も経験上実感しています。

    では、どちらを選ぶべきか3つの基準をご紹介します。

    ■規模によって考える

     
    個人事業主と法人は規模、つまりは売上高、利益、従業員によって使い分けるのが正しい選択だと思います。特に従業員がいる場合には法人にしたほうが良いと思います。

    理由は従業員が会社で働く事、社会保険に加入できる事で安心感を提供できるからです。それがなく、一人で働くフリーランスは個人事業主でも法人でもあまり関係ありません。

    ■年金によって考える

     

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    年金に関しては難しいところです。方法としては2つのパターンが考えられます。
    ・法人を設立し、厚生年金保険へ加入。
    ・個人事業主として、確定拠出年金への加入。

    一般的に考えれば、法人を設立し厚生年金に加入します。なぜなら厚生年金加入者は自負動的に国民年金にも加入になるからです。つまり、厚生年金を受け取れる方は、国民年金も併せて受けとれるということです。ただし、個人分と事業者分の厚生年金を支払わなければならず、一般的な厚生年金の2倍を支払わなければなりません。

    個人事業主であれば、確定拠出年金の個人型へ加入しましょう。国民年金への自動加入にはなりませんが、運用していれば、国民年金とは別途、確定拠出年金を受け取れるようになります。個人型であれば掛け金が最大68,000円となっており、法人でも加入はできますが、掛け金が最大23,000円なので、個人事業主を選択される方におすすめです。

    最終的にどっちが良かったのかはその時になるまでわからない投資に近いものです。投資と違い大損をすることはありませんが、どちらが効率的な使い方になるのかは判断が難しいところです。これについては日本年金機構の「ねんきんネット」でシミュレーションできるので、自分が今後、国民年金と厚生年金のどちらに加入して、どのような受給額になるので調べてみてから考えてみてはどうでしょうか。

    ※注釈
    確定拠出年金とは加入者自身が資産を運用し、将来支給される年金額を創出していきます。個人型は全て個人からの拠出のみとなり、企業型は会社の拠出に、個人の拠出を合せて運用ができます。

     

    ■配偶者によって考える

     

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    これはエンジニアに限らず、どの業種のフリーランスにもあてはまることですが、法人にして配偶者を役員にすることで節税ができます。これは配偶者に事務作業などのお仕事をしてもらい、給与支給することで節税できるからです。ただし配偶者が別の企業で働いている場合には、副業になってしまい不可能な手法です。

    他にも単純な節税についてはやはり専門の税理士と相談するのがよいでしょう。専門家なので安心して質問もできるし、様々なケースを解決してきたプロです。相談だけなら無料の税理士、税理士法人も多いので探してみましょう。

    おわりに

    個人事業主と法人はどちらが良いかというと経験上は法人です。私の場合はエンジニア業の他にも事業も展開していますし、今後も様々なことにチャレンジしていきたいので、法人設立のほうがメリットがあります。

    しかしそうでない人にとって法人設立は費用的な問題もあり、逆に足かせになってしまう人もいます。だからこそ、個人事業主と法人の選択は将来どうなりたいかを考えた上で選択するのがベストだと思います。節税できるから法人という考えで法人を設立すると実は節税額より法人維持費用のほうが大きく損することもあるので気をつけていきましょう。


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この記事を書いた人:手塚規雄

teduka

10年間、会社に勤めた後にフリーランスエンジニアとして、 業務系システム開発を最も得意とするプログラマ。 C#、VB.net、COBOLが得意で業界は 金融、公共、医療、サービスなど特に分野を選ばないスタイル。 また、エンジニア業以外にもいくつかの個人事業を展開中。 Twitter:@noriwo_t

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