「ファッション×テクノロジー」が生み出す未来の”スタンダードファッション”とは

古代より、人類が脈々と受け継いできた“服飾”という文化。その哲学やトレンドは毎年のように変化していますが、“服飾の定義”そのものは、ほとんど変化しませんでした。しかし、IT技術の進歩によりその状況が変わろうとしています。

今回は、ファッションとIT技術の融合によって生まれた新たな製品を事例に、ファッションの未来についてご紹介します。

ファッションとITの関係性の変化

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昨今、ファッションとITの関連性といえばECサイトの普及によって洋服の選び方、買い方が大きく変化しました。消費者はいつでも世界中のあらゆるブランドの商品をみることができ、購入できます。またファッションを提供する側も、ネットを活用して誰でも世界に対しての発信が可能になりました。

しかしIT技術の発展それだけに留まらず、新たな製品を生み出すところまできました。動植物から採取した素材を使用し、人間の手によって縫製されるなど、比較的“アナログ”な要素の強かったファッションという文化。その文化が最新のテクノロジーという“デジタル”の衣を身にまとうことで、私たちのファッションにどのような変化をもたらすのでしょうか。

LEDライト、3Dプリント、VR(ヴァーチャル・リアリティー)。これらのテクノロジーと服飾とのコラボレーションによって生み出された、新たな製品をみていきましょう。

絶対領域拡張計画「光るスカート」

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まずご紹介するのは、日本オリジナルの技術であるLEDと、日本特有の萌え文化のコラボ『絶対領域拡張計画「光るスカート」』です。

絶対領域とは、スカートとオーバーニーソックスの隙間にある、太ももの露出した部分のこと。もしくはその部位を強調したファッションを指すネットスラングです。もともとはアニメや漫画などの“萌え文化”がブームの火付け役とされる同ファッション。しかし、今では女性ファッション誌でも紹介されるなど、一般的な装いとして定着してきました。

女性らしいボディラインを演出してくれる”絶対領域”を、より魅力的にするのがLEDというテクノロジー。「スカートの内側にLEDを取りつけたら、太ももが光り、より美しい“こもれび領域”となるのでは」というアイデアの元、そのイマジネーションを具現化させた製品があります。それが、面白法人カヤックのエンジニア、天野清之さんの手によって作成された、『絶対領域拡張計画「光るスカート」』です。

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普段使いのファッション”と“特殊なファッション”の中間的なものをテクノロジーで解決する、というポリシーの元に開発された同スカート。ジャイロセンサーが搭載されており、回転すると光の色やパターンが変化するなど、天野さんの「エンジニアとしてのこだわり」が凝縮されています。

アニメや漫画などのオタクカルチャーが海外でも人気を博すなど、“クールジャパン”への評価は日増しに高まっています。そうした文化が、テクノロジーによってリアルと融合していく。このスカートは、その象徴とも言える製品なのではないでしょうか。

公式Webサイト:http://hikaruskirt.tumblr.com/

Free-Dの3Dプリント技術が作り出す“硬いけど柔らかい”NecklessとBangle

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テクノロジーにより、ファッションの素材そのものにも変革の波が訪れています。

アクセサリーの素材”と聞いたとき、あなたはどんなものを思い浮かべるでしょうか?シルバーやプラチナなどの貴金属、ビーズ、皮革、ダイヤモンドやルビーのような宝石などをイメージする方が大半だと思います。

しかし、3Dプリントで制作できる新しい素材が注目を集めています。それを主導するのが『3Dプリンタ・ファッション・プロダクツブランド「Free-D」』というスタートアッププロジェクトです。

同ブランドの製品に使用されているのは、“Auxetic pattern(オーセチック・パターン)”という、3Dプリントでしか生み出せない美しい幾何学模様の形。この形で生成されたプラスチックは柔らかく変形できるようになり、“硬いけど柔らかい”という背反する要素を併せ持った、自由度の高い素材となるのです。

かつて人間が“化学”の力を使用し“ナイロン”という新素材を発明したとき、服飾原料の可能性は大きく広がりました。同じように、2010年代、今度は“IT”の力によって“3Dプリント”という素材を創り出し、服飾の未来をプリントアウトしていく。そんな過渡期に、私たちは立っているのかもしれません。

公式Webサイト:https://www.booster-parco.com/project/62

VR姿見「memomi」で、自分の姿を360度確認

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ファッションショップで洋服を試着するさい、必ずと言っていいほどお世話になるのが“姿見”。購入する服の系統、サイズ、色などが自分に合っているかを確認するために、欠かせないツールです。

そんな姿見が、テクノロジーによって進化していることをご存知でしょうか?それは、2015年に期間限定で三越伊勢丹にも導入されたデジタル姿見、“memomi”。

これは、映像を記憶しておく機能を持った姿見。これにより、試着した姿を360度の方向から確認できるのです。また、試着したもの同士を画像によって比較する、様々な角度からチェックする、映像の中の衣服の色を変更するなど、“デジタル”ならではの利点が、たくさんあります。(使用イメージは、動画 ⇒https://vimeo.com/115948779 で観ることができます)

何も無い空間にモンスターやロボットを出現させる、テレビゲームの映像をよりリアルなものにするなど、かつては“娯楽”の要素が強かったVR技術。しかし、少しずつそれが“実用”の分野にも応用されつつあることを、この製品は示唆してくれます。

公式Webサイト:http://memorymirror.com/

服飾の世界を、テクノロジーがアップデートしていく

ファッションデザイナーであるココ・シャネルは、「古い価値観にとらわれない女性像」というポリシーを貫き、斬新なファッションを生み出しました。それが現在では、“スタンダードなファッション”のひとつになっていることは、みなさんがご存知のとおりです。

同じように、IT技術によって、今までに無かったようなファッションを生み出していく。いつの日かそれが、“未来のスタンダード”になってくれるのかもしれません。


 

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この記事を書いた人:ぞの

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Webアプリケーションエンジニアとして様々な現場に参画し、多種多様な言語を習得。エンジニアとしての強みは汎用性の高さと、メンバーとコミュニケーションを取り合いながら円滑に案件を進められること。趣味は音楽と将棋。Ruby愛好家。Twitter : @zono1009

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