【農業✕IT】静かに活躍の場を広げる農業クラウドサービス

昨今、多くの企業がクラウドサービスによる恩恵を受けています。また、クラウドによるストレージなどは一般ユーザーにも広く利用されています。そんな中、人知れず活躍の場を広げつつあるのが農業で利用されるクラウドサービス「農業クラウド」です。

広大な田畑や農作物を扱う農業と「IT」というイメージが強いクラウドでは、結び付くイメージがなかなか沸かないかもしれません。しかし、私たちの食生活を支えてくれる非常に重要なテクノロジーなのです。今回は、静かに、しかし着々と普及しつつある「農業クラウドサービス」について初歩的な知識をお伝えします。

農業クラウドとは

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クラウドサービスを簡単に説明すると、「インターネットを経由して受けられるサービス」ということになります。つまり、農業クラウドもまた、インターネットを用いることで農業に恩恵を与えるサービスの総称、といえるのです。農作物の生産、販売、流通といった農業におけるタスクをインターネットで支援してくれるツールということです。

農業クラウドによる最たるメリットは、農作物の育成支援です。これまでは職人的なスキルと勘に頼るところが大きかった農作業におけるハウツーをデータ化し、シェアしてくれるのです。経験に関わらず、農業に携わるすべての人をベテランと同じようにスキルフルにするのが狙いです。

いわゆるIT技術が農業に活用され始めたのは決して最近のことではありません。しかし、コストの問題から、ハイエンドなIT技術を導入できるのは一部の大規模農家だけだったのです。近年では月額で利用できるクラウドサービスの登場、またモニターやタブレット端末といったエレクトロニクス機器の値段の低下により、今日の普及が実現されました。

今後も農業クラウドを用いて農業を行う農家・法人はますます増えていくと見られます。

農業のクラウド化が急速に進められている背景

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(参照:http://ymmfarm.com/3311

クラウドサービスが農業に活用され始めた背景には、一体どのような要因が絡んでいるのでしょうか。ひとつには先に述べた、「コストがダウンした」という理由が挙げられるでしょう。そして、もうひとつの重要な要因が、国内の農家が直面することになる大きな問題「TPP協定」です。

TPP 協定に(環太平洋パートナーシップ協定)への参加により、これまで日本の農業を守り続けてきた関税の多くが撤廃、もしくは削減となります。関税の分だけ値段が低下した輸入品との競合により、国内で生産される農作物の価格低下、国内農業の縮小といった問題は免れません。つまり、多くの農家は生き残りをかけた厳しい戦いに挑まなくてはならないのです。

こうした状況を受け、日本の農家は作業の効率化やコストダウンを迫られています。そしてそのソリューションとなり得るのが農業クラウドサービスというわけです。オランダをはじめ世界の国々では、既にIT技術を農業に採用して成功している事例が報告されています。日本の農家たちも農業クラウドを利用した作業効率化により、来たる輸入農作物の来襲に備えているのです。

ちょうど日本の農家は高齢化による世代交代の時期。TPPの問題が迫っているのも相まって、農業から離れる農家も少なくありませんが、一方でITリテラシーの高い若い世代の農家の活躍に期待が寄せられています。

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ITが農業へ引き起こすブレイクスルーとは

 

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