IT大手6社が人工知能団体設立 その目的とシンギュラリティの到来

近年のIT業界を語る上で欠かさないキーワードである人工知能。これまでも人工知能の開発は各社で進められてきましたが、ついに大きな動きが起こりました。Facebook、Google、Google傘下のDeepMind、Microsoft、Amazon.com、IBM問いIT界のリーディングカンパニー6社が共同で人工知能の普及を目指す団体を設立したのです。

この団体は人工知能の普及にどのような形で取り組み、開発の今後にどんな未来をもたらすのでしょうか。

団体設立の目的とは

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上記の6社が設立した非営利団体「Partnership on Artificial Intelligence to Benefit People and Society(Partnership on AI)」は2つの大きな目的をアナウンスしています。ひとつは人工知能の安全性を認知させ普及させる啓蒙活動。もうひとつは人工知能のベストプラクティスを団体内で共有することです。

人工知能の開発が進むにつれて「人間の職が奪われる可能性」やビッグデータの活用に関わる「プライバシー問題」などが浮上してきました。これまでは人工知能の可能性ばかりが取り沙汰されてきましたが、「ディープラーニング」など近年の急激な学習機能の発達は、SFの「機械に支配された世界」を想像させるほどです。

いよいよ現実味を帯びてきたこうした危険性に対して、社会的な部分からも議論を交わそうというのがPartnership on AI発足のねらいのようです。当然ながら開発技術の共有も行っていきます。それぞれがトップクラスといっていい企業ですから、これまで以上に急進的な開発が行われるでしょう。また、現状Appleには声がかかっているのみの段階ですが、もしAppleが参加することになれば団体にとって大きな力となることは間違いありません。

団体に参加した6社が行ってきた人工知能への取り組み

ここで今回団体に参加している6社が行ってきた人工知能への取り組みについて振り返ってみましょう。

■ IBM

IBMといえば何といってもイノベーティブな人工知能「Watson」の開発で話題となりました。クイズ番組で人間のチャンピオンを破るなど、Watsonの活躍はメディアにも大々的に報じられています。最近では白血病のタイプを見抜くなど、医療現場での可能性も示しました。

■ Google

Googleは長らく人工知能を活用したデータセンターの省電力化に取り組んでいます。2016年7月には「ディープラーニング」の技術によって、センターの電力コストを40%削減することに成功したとアナウンスしました。Googleは人工知能を利用した省エネシステムを各センターへと応用する見通しです。

■ DeepMind

米Google傘下の人工知能企業DeepMindは6社の中でも特に人工知能に特化し研究開発を行っている企業です。開発した人工知能が活躍しているシーンは医療現場、ゲームなど枚挙に暇がありません。Partnership on AIでもDeepMindの共同創業者ムスタファ氏が会長として名を連ねていることから、団体内で強い影響力を持つことが予想されます。

■ Amazon.com

Amazon.comは自社の端末「Echo」にパーソナルアシスタント「Alexa」を搭載しました。こちらはSiriやCortanaのような人工知能を活用したアシスタントシステムであり、音声で呼びかけることで操作できます。将来的にはブラウザ上でAlexaが使えるようになる見通しです。

■ Microsoft

Microsoftは19歳の女の子という設定の人工知能「Tay」を開発しました。TayはTwitterで公開されており、他のユーザーから影響を受け進化しています。「突然差別的なツイートを始めた」というニュースは大変話題となりました。

■ Facebook

Facebookはテキストを理解する人工知能システム「DeepText」を開発しました。Messengerに「車」と書き込めばUberのリンクが出てくる、といった機能が最もわかりやすいものでしょう。DeepTextは今後も学習を続け、言語の「あいまいさ」に対応していく予定となっています。

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技術的特異点(シンギュラリティ)の到来

 

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