IT人材不足は打破できるか?世界のプログラミング教育

文部科学省は2020年から小学校でプログラミング教育を必修化することを発表しました。学生やビジネスマンが通う民間のプログラミングスクール開校が相次いでいます。また、総務省は2025年までにITの人材を100万人に増やす計画を発表しており、日本のIT技術発展に期待が集まっている状況です。

一方で、なぜこうまで急進的にプログラミングの教育が求められているのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。その背景には世界規模でのIT人材の育成がすすんでいることと、世界に比べて日本のIT技術が遅れていることへの対策とされています。海外の各国はどのような動きをとっているのか、日本のプログラミング教育はどうなっていくのか、一緒に考えてみましょう。

世界でプログラミング教育が流行している背景

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プログラミングの教育環境が求められているのは日本だけではありません。世界各国でプログラミング教育環境の充実に躍起になっています。その背景には問題視されているIT技術を持った人材の不足があるのです。2020年までに日本では36.9万人、ヨーロッパでは78.9万人、アメリカでは140万人の人材が不足するといわれています。国の規模が大きくなればなるほど、不足が予想される人材も膨大です。時間も十分にあるとはいえませんので、各国がプログラミング教育に力を入れているのも頷ける話です。

もうひとつの理由が、ITがもたらすであろう経済成長です。これまでの結果を見ていても、ITが国のビジネス成長を促すことは明白な事実といえるでしょう。加えてプログラミング教育は国民からのニーズも強いため、民間のプログラミングスクールなどで市場が活気づくと期待されています。

世界のプログラミング教育

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ここで、各国で行われているプログラミング教育の具体的な取り組みについて見ていきましょう。

■アメリカ

アメリカでは国策として理系強化を推進しています。小学校から大学にいたるまで、プログラミングやロボット政策など、「STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)」の教育が盛んです。また、プログラミング教育を支援するNPO法人「Code.org」にはApple、Google、MicrosoftなどIT界のリーディングカンパニーたちが協賛を行っており、強力な教育環境を作っています。

■シンガポール

シンガポールでは長らくIT人材が不足していため、経済活性化対策の一環としてプログラミング教育を推進しはじめました。その結果、国家機関によって公立学校におけるプログラミング教育の採用が検討され、現在では中等部の技術科コースにおいて必修科目となっています。また、いくつかの学校ではクラブ活動としても実施されているようです。

■エストニア

Skypeが生まれた国として知られるエストニアはもともと国民の88.4%にインターネットが普及しているITリテラシーの高い国でした。一方、国内のIT発展状況とは裏腹に企業たちは職業プログラマーの確保には手を焼いていたようです。しかし、プログラミングの教育が小学校1年生から始められると、ITが経済全体にもたらす付加価値が他の産業の倍に膨れ上がったといいます。もともとリテラシーの高い国だからこそ、教育の効果が大きかったのかもしれません。

■イギリス

イギリスは国の資金を投じて学校の先生へとプログラミングの教育を提供しました。2014には公立小学校のカリキュラムが大きく改革され、5歳から16歳までのプログラミング教育が義務化されます。言語の教育から、情報リテラシーの授業までが幅広く行われており、世界でも充実したIT教育環境が整っている国といえます。

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これからのIT人材不足を解消するためにはどうする?

 

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