「当事者意識を持ってはじめてコミュニティに参加したと言える」コミュニティ活動で業界を盛り上げる熱い志

IT業界では毎日どこかで様々な勉強会・交流会が開催されています。特に、移り変わりの早い技術を扱うエンジニアの勉強会コミュニティはとても活発です。エンジニアを対象とした技術勉強会は、あらゆる企業や団体から集まった有志の個人が集まり、主催しているものも数多くあります。

いわゆる“課外活動”とも言えるコミュニティの活動を、そのド真ん中にいる運営者たちはどのように考えているのでしょうか。企業とコミュニティ、ふたつの場所で生きるエンジニアから新しいエンジニアの歩み方のヒントを得られないか、コミュニティ運営者にインタビューしてみました。

▼これまでの記事
「いいモノづくりとは何だろう?」コミュニティ活動を通して発見したエンジニアのあり方
コミュニティ活動で得られるのは問題解決力。人脈の意外な活用方法。
エンジニアリング+αで生き残る。コミュニティ活動で掴んだ大きなビジネスチャンス

技術イベントコミュニティの主催者とは

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■主催者: 鈴木研吾 氏(株式会社 マネーフォワード )

今回お話を伺ったのは、株式会社 マネーフォワード のエンジニア 鈴木研吾 氏。高校から大学までの期間をアメリカで過ごし、就職活動中のインターンがきっかけで、セキュリティエンジニアを志すようになります。新卒でとある大手企業に入社、顧客のセキュリティ機器の運用をおこなうチームに配属されます。その後、アプリ開発のエンジニアとしてマネーフォワードに入社し、社内外で活躍しています。

■機械学習×セキュリティを学ぶ勉強会『AISECjp(Artificial Intelligence x Security)』

鈴木氏が主催する『AISECjp(Artificial Intelligence x Security)』は、機械学習に興味・関心がある、業務で使う必要があるというセキュリティエンジニア向けの勉強会です。セキュリティ界隈における機械学習の分野を知ること、輪読により機械学習の基礎を学ぶことの二つを目的として開催。今年2016年の4月から開始し、既に6回の開催実績があります。毎回少人数で、参加者同士の密なコミュニケーションが取れる空間作りにより、学びの多い機会となっています。

インターン先のエンジニアの一言が“セキュリティ”の世界へ導いた

高校・大学とアメリカで過ごした鈴木氏。元々理系で、大学時代の専攻は機械工学だったものの、ITにはあまり馴染みがなかったそうです。しかし、進路を考えるタイミングで参加したインターンが後の鈴木氏の進路に大きく影響を与えます。インターンは、日本最大手といっても過言ではないコンサルティングファーム、シンクタンク、システムインテグレータ。そこで 鈴木氏が配属されたのが「脆弱性診断チーム」でした。

「インターン先のセキュリティチームでたまたまインストラクターになった方が、1日かけてみっちり“なぜ今セキュリティが重要なのか”ということを教えてくれたんです。当時話題になった、あるネットワークへのハッカーの侵入について対応した体験談なども聞かせてくれました。

それとほぼ同時期に、自分自身もセキュリティに対して考えさせられる出来事がありました。自分の体験談と、インストラクターの言葉が自分の中で上手く結びついて、より“セキュリティ”という領域に興味を持つようになったんです。」(鈴木氏)

セキュリティのプロフェッショナルになりたいと、インターンした企業にそのまま就職を決めるも、配属されたのは希望したチームではありませんでした。仕事に邁進しながら、異動を訴え続ける日々。そして入社当初からの「3年で希望チームへの希望が叶わなかったら退職する」という 決意にしたがって、一昨年退職を決めます。その後、マネーフォワードに入社しますが、そこでも“セキュリティエンジニア”としての採用ではありませんでした。

「3年間のキャリアを経て、戦略的に遠回りをすることを選びました。ベンチャー企業の開発エンジニアというプロセスを踏むことで、開発の現場を知っているし実装もできるという、+αのスキルを持ったセキュリティエンジニアとしてのキャリアを得ることができるのではと思っています。」(鈴木氏)

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セキュリティとともに注目していた技術が“機械学習”

ひとまず本業としてはアプリ開発に携わることになった鈴木氏。しかし、セキュリティの分野へのアンテナは常に広く張っているといいます。その中でも関心が強いのが“機械学習のセキュリティ領域での応用”

「エンジニアはセキュリティに関するあらゆるデータに触れる機会があるはずです。それを機械学習を使って応用すると、何か大きなイノベーションになるのではと期待感があります。しかし、日本のセキュリティ業界では“機械学習”のキーワードはあまり聞こえてきません。」(鈴木氏)

機械学習と聞くと最近のキーワードのようだが、鈴木氏によれば“機械学習の波”は何度も訪れているそう。1940年代から今まで、第一・第二・第三世代と流行っては廃れてを繰り返し、今また注目を浴びている。しかし、今回の流行はこれまでと違うと、鈴木氏は言います。

「ここ2、3年でGoogleやFacabook、MicrosoftといったITの巨人たちが、機械学習におけるオープンソースのライブラリーを出しています。これによって世間一般的に廃れることがあっても、技術的には定着するはずだと思っています。

でも日本のセキュリティ業界の人間は、まだ機械学習について語る人が少ないというのが私の考えでした。仮に、世界的にセキュリティ×機械学習が当たり前という時代になった時、セキュリティエンジニアはより生産性の高い業務をできるようになるはずだ、と思っています。」(鈴木氏)

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自分と同じ想いをもった人と出会うきっかけとなった
鈴木氏のとった行動とは

 

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