4月が近づき、人事異動の発表があったり、周りの変化をきっかけにご自身のキャリアを考えたりと、なんだかざわつく季節になりました。春からマネージャーに就く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、エンジニアとして働いてきた筆者がマネージャーに抜擢され、今に至るまでの経験をもとに、プレイヤーとマネージャーの違いについて考えていきます。違いを知ることで、マネジメントへの不安を払しょくしましょう!

▼この記事はこんな人におすすめ!
・「プレイヤー」or「マネージャー」というキャリア選択の岐路にいる方
・突如マネージャーに抜擢されて不安な方
・マネージャーになると技術スキルが身につかないのでは?と心配な方
目次
- 1. マネジメントするに至った経緯
- 2. マネージャーになると起こる変化
- 変化1: 技術の習得範囲が広がる
- 変化2: 出社時間が早くなった
- 変化3: 非エンジニアとのコミュニケーションが増える
- 5. マネジメントをする上で大事にしたいこと
- 6. おわりに
マネジメントするに至った経緯
過去に開発チームのプログラマとしてプロジェクトに参画していた時の私を振り返ってみるとシステムの全体、サービスの全体をイメージして日々の仕事をこなしてはいませんでした。
そんな私がある日、信頼のおけるプロジェクトのメンバー(ディレクター)に「開発チームのリーダーやってみない?」と誘われたのがマネジメント業務との出会いでした。

なぜそのような流れになったのかを考えてみると、以下のような条件が揃っていたように思います。
・マネジメントをしたいという意思を伝えていた
・自身の担当業務を予定通りに遂行することができていた
・要件業務に対しプラスαの提案をもって対応することができていた
|マネジメントをしたい意思と、リーダーに必要な資質をアピールしていた
“自分の理想”と”資質の片鱗”をメンバーに対して提示できたためにリーダーになるよう依頼があったのだと考えています。とはいえ、開発リーダーとはどういった業務を行えばよいのか、またどこまで技術に関する知見が必要なのか、見当もつかない点が多く、実際に打診を受けた後は必要なプロジェクト進行の方法や技術の勉強に日々追われることになりました。
変化1: 技術の習得範囲が広がる

開発のリーダーになったので当然のことですが、技術においては広範囲の知識が求められます。
いままでは自分の製造範囲だけ考えていれば良かったのですが、プロジェクトの開始からリリース・運用に関わる膨大なタスクをまとめるだけの知識力が必要になりました。
フロントエンドからバックエンド、インフラ周りからデプロイ方法まで。
それぞれの技術帯において開発を担当したことはありましたが、整合をもってシステムを構築するには広い知識だけではなく、深い知識も必要とされました。私は当時インフラ周辺の技術に疎かったのですが、幸いにチームメンバー内で造詣の深いメンバーがいたために対処することが可能でした。
技術を自分だけの知識範囲ではなく、チームの力で落としこんでいく手法を学びました。
変化2: 出社時間が早くなった

当時の私はプレイングマネージャーで(今もそうですが)システム開発の一部を担ってもいました。
毎日構築タスクもこなしつつ、システム全体の状況を常に把握した状態でいるのは至難の技でした。
そんな状況ですから毎朝起きると色々な懸念事項が大小色々と浮かんできます。
タスクの状況を的確に把握するためには、精神的にフラットな状態を作り出す必要があり、その対処方法として1時間早く家をでてコーヒーブレイクをして少し早めに出社するようにしました。
このようにすることで、朝の時間で情報収集を行い、自身のタスクを整理した状態で出社後の進捗確認に臨むことができるようになりました。
変化3: 非エンジニアとのコミュニケーションが増える

私はプレイングマネージャーでしたが、プログラマとして参画していたときよりも明らかにコード量は減りました。
そして、こういったタスクの代わりに、外部への報告資料を作成することが多くなりました。
進捗状況やシステムの利用方法等についてまとめたもので、これらはシステム開発者以外の関係者が正確に情報を理解できる表現が要求されます。文章表現においても「テクノロジー・ハラスメント(通称:テクハラ)」をしないように気をつける必要がありました。
エンジニア視点でドキュメントを作成すると専門用語が多用される傾向があります。もちろん、正確に表現することは重要ですが、開発者以外の視点も意識してプロジェクトに臨むことも大切なことです。
マネジメントをする上で大事にしたいこと
前述の各項目で示唆したように、私はマネジメント業務に携わることで、「チームで考えること」「サービスを俯瞰すること」「エンジニア以外の目線を持つこと」を体験し学びました。
開発リーダーから始まったキャリアから、現在では広範囲のプロジェクトマネジメントを担当させてもらえるようになった今でも、忘れないようにしているポイントを4つにまとめます。
・ミッションの確認(自分が果たすべき役割を忘れないようにする)
・タスクの受け渡しを的確に行う(メンバーが率先して行動できるように)
・メンバーのアラートを見逃さない(空気を読む)
・課題意識、問題意識を常に持つ(開発プロセスやサービスの仕組みがもっとよくなる方法を探す)
おわりに

エンジニアにとってマネジメント業務を行うということはキャリアパスの一つの選択肢になりえます。
このごろはメンバーシップを育てる動きもみられますし、参画メンバーが協調してマネジメントを考えていく必要があります。周りから可能性を評価されてマネジメント業の依頼がある場合は、一度飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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