【前編】ゼロから学べるIoTのはじめ方~基礎知識を学ぼう~

最近の技術トレンドでもあるIoT。ITエンジニアであれば、一度は耳にしたことがありそうですが、まだよく分からないという方も多いのでは? 実はIoTは、とても身近になってきています。今回は、IoTに興味はあってもなかなか開発に手が出せなかった方のために、前編・後編にわけて”IoTのはじめ方”をご紹介したいと思います。まずは前編でIoTの基礎知識について学びましょう。

IoTの現状

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IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」と翻訳されます。コンピュータやスマートフォンのみならず、あらゆる身近な「モノ」をインターネットを代表とする様々なネットワークに接続することで、従来の製品以上に利活用の幅を広げたり、新たな価値を提供していくという考え方です。

例えば電気ポットにネットワーク接続機能を持たせることで、お年寄りのお茶のみ状況を遠隔地にいる親族に通知するという製品が生まれました。これにより遠隔地にいる親族は、お年寄りが日常生活をいつもどおりに営んでいるかどうかを判断できるようになったのです。従来の電気ポットは担っていなかった新たな役割が与えられたことになります。

ホームセキュリティカメラでもネットワーク接続することは、いまや当たり前となっています。従来は「録画し続ける」というシンプルな機能でした。今ではスマートフォンからいつでもカメラの映像をライブで確認することができます。また人感センサーに反応がある時はスマートフォンに通知を入れる、というような機能があることも珍しくありません。

このようにIoTは既に身近な存在となってきています。世界中の企業や開発者が、何をネットワークにつなげれば新たな価値を創造できるか、その模索競争を繰り広げているのです。

ひとりメーカーの誕生

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他方で製品開発の分野でも大きな変革が起こってきています。従来は大手メーカーが設計を行い、製造会社に製造委託を発注し、それをメーカーのブランドで、メーカーの販路で販売をしていくのが普通でした。

今でははそれに加えて、「ひとりメーカー」とか「ぼっち家電」と言われるような個人経営のメーカーが台頭してきました。コンピュータで回路設計や製品デザインを行い、インターネットを介して世界中の企業に製造委託する方法です。そのようにして作られた製品は店頭で販売するものもありますが、主な販路はインターネットが選ばれることが多いです。

ワンボードマイコン・シングルボードコンピューターの流行

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パソコンを含めたコンピュータシステムには、それを構成するいくつかのモジュールがあります。CPUやROM/RAMのようなメモリー、外部とデータをやり取りする入出力機能などがそれにあたります。マイクロコントローラとはそれらのモジュール全てを1つの集積回路に実装したものです。

Atmel社が開発・販売している「AVR」 Microchip Technology社の「PIC」の2つが大変有名です。 とりわけAVRは、これを使用したワンボードマイコンの「Arduino(アルドゥイーノ)」の人気の上昇に伴い、AVR自体の人気も高まっています。

ワンボードマイコンは、マイクロコントローラーの集積回路を搭載して、利用しやすいボードとして実装されたものです。主に組み込みシステムの開発用に用いられます。Arduino以前にもワンボードマイコンはあったのですが、ボードの設計情報やクローンボードの作成を広
く許可したオープンハードウェアとして公開されたため、様々なArduino互換ボードが開発されたためにArduino文化圏が一気に広がりました。

2012年にはRaspberry Piという「シングルボードコンピュータ」が現れました。ワンボードマイコンと異なりシングルボードコンピュータは、オペレーティングシステム(OS)をインストールすることで、PCと同等の利用ができる点で異なります。PCで既に利用されているライブラリやアプリケーションがそのまま使用できたり、OSが提供する機能をすぐに利用することができるため、大きな支持を得ています。

ESP8266の登場

Arduinoは一部の互換機を除いて、ネットワークにつながるためにはEthernetシールドやWiFiシールドなどを追加する必要がありました。 またRaspberryPiもEthernetは当初から付いていたものの、Wifiに関してはRaspberryPi3が発売された2016年3月まではWiFiドングルが別途必要でしたし、そのドングルをシステムで有効化する作業は簡単とは呼べないものでした。

そんな中現れた新星のCPU付きWiFiモジュールであるESP8266は、3cm角に収まる小ささ、数百円で購入できる低価格、そしてなにより初めからWiFiが使用できるということで大変注目を浴びました。ESP8266を使いやすくワンチップに実装したesp-wroom-02が日本国内においても技適マークを取得したので、電波法に抵触することなく電波利用できるモジュールであったことも、日本国内のブームを起こす要因のひとつとなりました。

またArduino開発環境をそのまま使用することができ、Arduino言語でもプログラミング可能な点も特筆すべき点です。

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この記事を書いた人:ideomix

matsuo

2001年よりフリーランサーとしてWeb系システムの開発に従事。電子工学の教養が無いながらも、電子工作の楽しさに取り憑かれ、趣味として熱中。技術勉強会を主催したり、参加したりするのが大好き。2才児のおとうちゃんとして、育児や知育などにも関心がある。Twitter: @ideomix Facebook: @ideomix

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